自家歯牙移植Autotransplant
自家歯牙移植とは？
同一口腔内において歯をある場所から
別の場所へ移植する処置
治療しても治らない歯を抜歯し、その部位に親知らずなどの余っている歯を移し替え、骨と接合させる治療法です。ドナー歯抜歯の際、歯根膜組織をなるべく損傷させないようにすることがポイントとなります。
※他人の歯を移植することはできません。
自家歯牙移植の流れ
診断および計画
検査をおこない移植可能かどうかを判断します。可能であればご説明し同意を得た上で自家歯牙移植の準備をします。画像は 左下の親知らずを2つ手前の第一大臼歯へ移植します。
移植処置
第一大臼歯を抜歯し、膿をきれいに取り除きます。次に親知らずを抜歯し、歯牙保存液に浸漬させておきます。
親知らずの形態に合うように移植する穴を整形し移植します。
固定
歯肉や骨が結合するまでの期間（約2ヵ月）副木固定をおこないます。症例によってはサージカルパックを併用します。※約2、3週間後に神経を抜く必要があります。（麻酔は不要）
治療終了および経過観察
固定期間は反対側の歯で食事してもらうようにします。最終的に4、5ヵ月で安定した状態になります。
その後は定期健診をおこない経過観察期間に入ります。
①右下第一大臼歯を抜歯して右上の親知らずを移植した症例
右下第一大臼歯は根の1/4付近まで虫歯に侵され、その影響で根分岐部病変も併発しており保存不可能な状態。
通常は抜歯してインプラントにするかあるいは前後の歯を削ってブリッジにするしかないが、右上奥に使われていない親知らずが存在し、移植の説明をおこなった。
患者様の同意が得られたため、自家歯牙移植を試みることになった。
移植後3ヵ月のX線像
移植歯の周りにまだ骨が出来上がっていない。
移植後3年のX線像
移植歯周囲の透過像がなくなり、完全に骨が出来上がった。
①パノラマレントゲンでの実際
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②右下第二大臼歯を抜歯して右下の親知らずを移植した症例
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| 右下の親知らずが手前の歯（第二大臼歯）に倒れ込んでることが原因で骨縁下に虫歯ができてしまった。また根尖病巣も認められるため後ろの親知らずを手前に移植した。 | ||
②パノラマレントゲンでの実際
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